週刊大衆
2002/12/23号

関西かわら版第173版

こんな人がいてるんです
う〜んお見事! さばいた魚を泳がせる!驚異のワザを持つ料理人
奥の水槽で、身を剥ぎ落とされたさかなが、元気に泳いでいるのが分かるだろうか? 大阪・弁天町で『すし活』を営む川口正弘(当時44)は、内蔵を傷つけず、生きた魚をさばいて、 そのまま泳がせるという神業のような包丁技術をもった料理人である。「漫画『庖丁人味平』にそういうシーンがあったんですよ。それに憧れて、この世界に入ったクチですから」とはいうものの、そんなことが、簡単にできたのだろうか?「そりゃあ、最初は失敗しましたよ。魚を普通にさばくと、コップ半分ぐらいの血が出ますからね。」このワザを修得したのは19年前。その応用で、同店では"魚キープ"と言う信じられない制度が登場した。「身を片面だけ食べて、また残りを明日食べるという方法です。生きたまま泳がしておくんですよ。でも、これには欠点があって、翌日になると味が落ちるんですよねぇ(笑)さらに信じられないイリュージョンメニューもあって、仮死状態の白魚が、しょうゆをかけた途端、生き返る"白魚の踊り食い"、握ったタコの足が動き出す"活タコおどり"、ハモの骨を1本ずつ抜いた"ハモの刺身"・・・・・。「ウチは魚が入らなかったら、営業もしないんです。全部、天然物ですからね。」これも、店主の並外れた包丁の技術があってのもの。「骨泳がしはアナゴやヒラメでもできるんですが、見栄えが悪いでしょ。やぱっりイシダイが1番キレイですよ」お見事というしかない。